目次
今回は、お稽古前やワークショップなどでできる、お芝居の基本を学べるエクササイズをご紹介します。
このエクササイズでは以下の事が練習、体感できます。
このエクササイズの目的
緊張をほぐす
やっている事はとてもシンプルです。難しい事はやっていません。
このエクササイズをする事で、リラックスして楽しみながら声を出すことができます。
実際に台本を使ったお稽古に入る前に少しこういったエクササイズを行う事で、緊張をほぐして良い雰囲気でお稽古に入ることができます。
声を相手に届ける
台詞の基本はキャッチボールです。
このエクササイズでは、「あ」や「い」と言ったそれ自体には意味のない言葉ですが、これが台詞になった時も同じように
相手に言葉(台詞)を投げかける
相手が投げてきた言葉(台詞)を受け取る
ということができるようになります。これができるようになるとお芝居のレベルが格段にアップします。
自分の番じゃなくてもその空間(空気感)に参加する
お芝居でありがちなのが、順番台詞になってしまう事です。俗に言う番ゼリフというやつです。
自分の台詞の前の人が喋ったら次に自分が話す。それまではお休み。これではお芝居にはなりません。
このエクササイズでは集中していないとそのテンポを崩してしまいます。
これがお芝居の中のシーンになっても同じ様に、
例え台詞がなくっても(エクササイズでいう順番がこなくても)、そこの空気感にしっかり参加する
良い練習になりますし、これができるとシーン全体が締まります。
参加している自分と冷静に状況を把握する自分の両立ができる
お芝居には、「段取り」というものが存在します。
この台詞で、この場所に移動する
このタイミングでこの道具を取り出す
など、舞台をやる上で演出上決まった動きをしなければならない時があります。
この時、
段取りに追われて、お芝居ができなくなってもダメ
逆にお芝居に集中し過ぎて、段取りを忘れてしまってもダメ
そのバランスの良いところを自分で見つけていく必要があります。
このエクササイズをすることで
集中すること
と
視野を広く持つこと
の両立をする練習をすることができます。
よくドラマや舞台でアドリブに見えるシーンがありますが、多くの場合は段取りや台本通りだったりします。
役者さんがまるでアドリブかのように見せているということですね。
お客様が「アドリブかな」と思うような自然な流れで段取りがこなせたら、素晴らしいバランスの役者さんということですね。
エクササイズのやり方(ルール)
参加者で円になります。
始める人を1人決めます。
その人が誰かを指差しながら「あ」と言います。
指を指された人はまた別の人を指差して「い」と言います。
この繰り返しで「ん」まで続けられたら成功です。
失敗したら「あ」からやり直します。
リズムが崩れたり、指された人が気付かない、もしくは2人反応してしまっても失敗です。
レベルアップしよう
テンポを上げる
初めは「あ・い・う・え・お」のようにゆっくり始めて、慣れてきたら「あいうえお」とテンポを上げていきましょう。
テンポが上がっても遅れたり、逆に早くなってはいけません。初めに決めたテンポで最後までいきましょう。
指を差す→を2本にする
初めに指差しを指す相手を2人にして始めましょう。
指された人は次にそれぞれ1人を指します。
これで同時に2本の矢印が行き来します。
もし2人の人が同時に1人に指した場合は、その指された人が2人を指します。
どんな時でも矢印は2本あります。
指してる時に指されてる事もありますので、視野を広く落ち着いてやりましょう。
まとめ
このエクササイズで何かが劇的に良くなるというものではないかもしれません。
しかし、ここエクササイズを通して、お芝居の基本的な部分を体感することで、いざ台本のあるお芝居をした時に良い効果をもたらしてくれると思いますので、ぜひお試しください。
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