コロナ禍の舞台人への影響

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舞台のこと
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かぴばらさん
かぴばらさん

コロナの影響で仕事がなっちゃった

どやくん
どやくん

舞台は3密状態になるし仕方ないよね…

世界中が大混乱に陥ったコロナウィルス

まだ完全な収束の目処は立っていませんが

日本では少しずつ感染者数が抑えられ、飲食店への規制、制限を設けた上でのスポーツ観戦など

少しずつですが元の状態に戻ろうとしています

演劇活動については、09/19(土)のイベント開催制限の緩和でついに満席状態での上演が可能になりました

それ以前にも感染予防を徹底しての公演再開や無観客での上演を撮影し、ネット上で公開するなど、状況に応じた方法で活動していました

今回の騒動での舞台人に対する影響をまとめてみます

舞台(仕事)がなくなり収入激減

今回流行しているコロナウィルスは、早い段階から3密(密集・密接・密閉)が主な感染拡大の原因だと分析されました

そのため、人が集まるイベントや舞台などは直ちに中止の判断が下されました

これは自主的なものではなく行政からの要請でした

個人的はこの判断は正しかったと思います

しかし舞台俳優の立場からすると

舞台がないと仕事がありません

当然、劇場が再開する見込みがないため、稽古も中止です

俳優だけでは食べられないので専門学校などで教えをしている方もいますが

人との接触、特に声を出すようなものは感染リスクがあるのでこれも中止

つまり俳優がスキルを売りにしてお金を稼ぐ方法がことごとくなくなってしまいました

それでも日々の生活(家賃など)のためにお金は必要です

普段なら「じゃあバイトを探そう」となるのですが

どこも営業自粛などで経営が厳しくなり、バイトの募集が激減しました

ウェブデザインや映像編集などをやっていた人はネット上で仕事を受注することもできたでしょうが

そうでない人はウーバーイーツくらいしかありませんでした

私の劇団でも大ベテランと呼ばれる方々がウーバーイーツを始めたと聞いてびっくりしました

舞台再開もキャパ50%では赤字

7月頃になると感染者人数の増加が抑えられてきました

そのため条件付きでのイベント開催が認められました

舞台では換気や感染対策をしっかり行った上で、キャパ50%以下での上演が認められました

実際には

  • 一席おきに販売してお客様同士の距離を取る
  • 前方3列分の席をつぶして舞台上とお客様の距離を取る

などの対策が取られていたので、キャパ40%くらいが最大だったと思います

これでは公演の採算が取れません

舞台の公演にはお金がかかります

  • 人件費(キャスト出演料・スタッフ人件費)
  • 劇場のレンタル料
  • 稽古場のレンタル料
  • 大道具・小道具などの材料費
  • チラシやパンフレットなどの印刷代 etc…

客席が70~80%埋まって採算はトントン、場合によってはそれでは赤字の時もあります

なのでどんなに健全な経営管理をしていても規制であった50%以下の客席状況では公演をするだけ赤字が増えていきます

劇団四季や東宝芸能などの大手団体では7月に公演を再開しましたが、もともと蓄えていたプール金が豊富にあるからこそ赤字を抱えながら公演を行えたのだと思います

イベント開催が認められたものの

公演を行うと赤字になる公演の中止仕事がなくなる

という負のスパイラルに入ってしまいました

09/19(土)からのイベント開催制限の緩和は演劇界にとってはありがたいことです

もちろん感染症対策はしっかり行うことは大前提です

世間の風当たり

コロナでいろいろなものが中止や自粛していく中で演劇界もその影響を大いに受けました

そこで大御所の俳優さんや演出家さんが国に支援を求めました

今まで書いてきたように収入源がなくなってしまったからです

そのニュースが流れるとSNS上では批判の声が上がりました

もっと先に支援するところがあるのでは?

この意見はもっともだと思います

舞台観劇は不要不急の外出だったと思います

一方で

別に必要なくない?

なくなっても困らないし

いずれ淘汰されるでしょ

今まで好き勝手やってて支援とは何事か

このような意見もありました

自分の知らない、興味のない世界だからなくなっても構わない

TV番組などで芸能人の豪華な私生活が放映されていて芸能人金持ってるじゃんと思っている

こういった部分が遠因になっているのだと思います

また

お金は苦労して稼ぐもの

という日本人の考え方が芸能人のように好きを仕事にする人への攻撃につながったのかもしれません

好きだから苦にならないだけでみなさん努力(苦労)されているのは間違いないです

オーディションの中止

コロナウィルスの影響でANAなどの大手企業でも採用試験の中止をする企業が出てきました

演劇界でも同様のことが起きています

劇団四季では毎年行っていた大型オーディションの中止

劇団研究生の募集も行わないと発表しました

劇団四季~オーディション情報~

このオーディションのために子どもの頃から努力を積み重ねていた未来のスターがこういった形で俳優になることを諦めてしまうかもしれない

これは演劇界にとって大きな損失です

もちろん演劇界に限った話ではありません

一刻も早く事態が収束して、若い人たちが夢を実現できる世界になってほしいと切実に思います

新たな表現方法が見つかった

かぴばらさん
かぴばらさん

ネガティブなことばかり…
何かよかったことはないの?

どやくん
どやくん

もちろんあるよ
それは新たな表現方法が見つかったことかな

かぴばらさん
かぴばらさん

新たな表現方法?

ここまではネガティブなことばかりでしたがよい点もありました

それは今の時代に合った新しい表現方法が見つかったことです

その1つがZoomを使ったリモート演劇です

Zoomを使って、離れた場所でも芝居をすることで俳優同士やお客様との接触をさけてお芝居をすることができました

またZoomの特性を生かしての演出(フリーズ・映像の差し替えなど)も上手に組み込んでいました

youtubeなどに作品を載せることで普段芝居を見ない人にも見てもらうきっかけになったと思います

その時代や状況に合ったお芝居がその都度生まれてくるからこそ、舞台というものはなくならずにずっと続いてきているのだということを実感しました

まとめ

コロナウィルスの影響で多くの舞台は中止になり、未だに再開できていない劇団や作品はたくさんあります

仕事を失い、不安を抱えて生活している舞台人も多くいます

しかしリモート演劇のように新たな試みも生まれました

いよいよイベント開催制限も緩和され、少しずつ舞台を行える環境にも戻りつつあります

なんの不安もなく舞台を楽しめるのはまだ時間がかかるかもしれませんが

やまない雨はない

その日まで精一杯戦いましょう

みなさんと劇場でお会いできる日を楽しみにしています

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